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女神の争奪

女神の争奪【最終話】

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3人でリビングで食事をしていると、修一が箸で魚をつつきながら言った。
今日は和食の日だ。恵里奈が食事の当番の日は、いつもよりも料理らしいものが食べられる。
「それで? 結局相田のことは今後どうすることにしたの?」
恵利奈は持っていた味噌汁椀を置き、箸置きに箸を揃えて置いた。
「今回は、本当に二人にも迷惑を掛けてごめんなさい」
そう言って両膝に手を置き、深く頭を下げた。
「なんで恵里奈が謝るんだよ、いいよ、頭を上げろよ。僕は迷惑なんて掛けられてないしさ!」僕が言うと、修一が「まあ、慶なら例えナイフを突きつけられてもけろっとしてたんだろ。どうせ恵里奈が出て来なくてもなんとかしてただろうしな」そう言って笑った。 確かに僕には武術の心得もあるし、修一の言う通りナイフくらい出てくることも予測の範疇ではあった。だけどもう少し心配してもいいんじゃないかと思い、修一に一言言ってやろうかと思った。けど、恵利奈に先を続けさせる為に黙っておいた。

「私ね、昨夜、相田君の実家を訪ねたのよ。そうしたら思った通り、ご両親ともピリピリしていて。相田君はいないって門前払いをされるところだったんだけど。
私は彼がいないのを承知で行ったから帰るわけには行かなかったのよね。
用があったのはご両親の方にだったんだもの」
「どういうことだ?」修一も食事を中断し、箸置きに箸を置いて尋ねる。
「私はね、彼が現金輸送車を襲った動機から考えてたの。いくらを積んでいた車かなんて知らない。相田君も知っていたかどうかは定かじゃないわ。でも、お金が欲しかったのは確かじゃない? それも、まとまった額の。
それでもともとお金持ちの家の子だった相田君が何故そんなことをしたんだろうと考えたら……。」
「実家の事業に問題があったんじゃないかって考えた訳か。まあ一番単純な動機だな。それで、両親の雰囲気からそれは当たっていたと。こういうこと?」
「そうなの。それで、この名刺を差し出したの。……あなたたちにも隠してた、私のもうひとつの顔。
 これを出して、相談に乗りたいと言ったら家に上げてくれたわ」
 僕と修一は恵里奈がテーブルに置いた名刺に目を通した途端、目を剥いた。
「東菱グループ 取締役っておまえ……!」
「東菱グループって言ったら日本で上から数えた方が早いくらいの大企業じゃないか!」
 僕と修一がほぼ同時に叫ぶように言うと、恵里奈はまあまあと言わんばかりに宥めるような口調で説明した。
「私は学生だし、まだ肩書きを貰っただけよ。実質の経営には多少参加させて貰ってはいるけど。これは、両親が残した遺産のひとつなの。ただ筆頭株主だから多少の発言権があるってだけ」
「でもおまえ……」
「この件の質問は後でね」僕が言いかけると、恵里奈にぴしゃりと止められた。
「そりゃさすがにね。こんな名刺を出されたら門前払いするわけにはいかないな。それで?」そう言って修一が恵里奈の話を促した。「それで……。もともと株価の動きから、彼らの事業がうまく行っていないことを知っていたから、そこから話を始めたわ。
 そして聞いたことは、当然のように事業が傾いていること。このままでは倒産するしかないということ。そして多額の負債を抱えるようになること。
 そして……大手の銀行には全て融資を断られたこと」
「それで、相田は両親を助けようと現金を用意しようとした訳か」
 僕が呟くように言うと、恵里奈が小さく頷いた。
「銀行に提出した事業計画から損益計画、収支計画などの話を聞いたわ。
 銀行が融資を断るのも無理はないと思った。
 それで提案したの。
 うちの会社が融資をすること。その条件に、経営にも参加させて貰う事。もちろん、相手にもリスクはあるけど、そこは仕方ないわね。
 ただお金を貸しただけならよっぽどうまくやらないと使っておしまいだもの。
 それから、相田くんが卒業したら、うちの会社で雇用することも条件にしたの。もちろん数年だけどね。彼もご両親の事業を継がないといけないだろうし」
「相田を? 何故?」
 修一が質問した。
「……不本意ではあるけど、彼を監視することと、抑制することが狙い。また何か変な考えを持たないかとも限らないから傍に置きたいと思ったの。あとは……多少、彼の才能にも着目してるのよ」
「ヤツの才能?」僕には不可解で、思わず訊いてしまった。
「ええ。子供の頃から彼は、例えお金の力を使っていたとはいえ人を動かす才覚に恵まれていたと思うのよね。
 そして今回の輸送車襲撃事件に関しても。
 彼がどうしたのかは分からないけど、仲間を集めることができた。
 こんなに危険なことによ? 普通は断るわ」
「恐喝でもしたんじゃないか?」
「そういう、人の弱みを嗅ぎ分ける能力もある種の才能じゃない? 才能というのは、正しい方向へ導けば必ず輝くわ。宝石のようにね。……慶のように」
「僕?」僕が宝石だって? 言われている意味が分からず、修一の顔を見た。
「慶が宝石ねぇ」そう言って、修一はただにやにやと笑うだけだった。
「それで……相田自身も納得したのか?」修一が問うと、恵里奈は満面の笑顔で言った。
「ええ、もちろん。私たちにこれ以上近づいたら全ての契約を打ち切りにするという約束を書面にまで書かせてね。だから、これで全部おしまい」
 そして恵里奈は箸を持ち、食事を再開した。それと同じくして僕らも再開する。でも僕にはふと疑問が湧いた。
「ところでさ、この事件の一番の発端である、相田がうちに来たことには何の関係があったの?」
「ああ、あれね」
 恵利奈は今度は箸を止めずに、なんでもないことのように言った。
「私も気になったから、慶が帰った後に彼に訊いてみたのよ。そうしたら、やっぱり私が構内で二人とやり取りをしていたことを見てたらしいわ。
 そこで、彼の勘で……私たちが何か犯罪を犯しているんじゃないかと思ったみたい」
「バレたの?!」そう訊くと、恵里奈は「大丈夫よ」と言って顔を上げた。
「暇だったからオンラインゲームをしてたって答えた。
 あらかじめそれっぽいゲームを探しておいて、二人のキャラクターも作っておいたから、画面を見せたら納得してたわ。
 それについても私の失態ね。ごめんなさい。でも、これで本当に終わり」


修一はそれを聞いて「恵里奈は本当に俺達の女神なのかもしれないな」と言って笑った後、「ごちそうさま」と言って冷蔵庫へ向かい、ビールを取り出してその場で栓を開けた。

カシッという軽い響きが僕の耳にまで届いた。


すると恵里奈が「ちょっと待ってよ」と声を上げる。
振り返る修一に、「いつも通り、一仕事終わったんだからシャンパンを開けましょ。なにかオードブルを作るわ」と言って微笑んだ。




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~ Comment ~

NoTitle 

最初からまた読み直したよー♪
サクサクっと読めて楽しかった^^
相田が現金輸送車を襲ったところなんて、緊迫感が伝わっていたし、
慶と修一が女神を思う気持ちもよかったなー♪

冷静沈着な修一はやっぱりカッコいいなぁーーで、容姿もきっとカッコいいんだろうなぁーーうふふ♡
いや、でも慶の仲間想いの優しいところもいいなー♡
だから、恵里奈が羨ましいww

NoTitle 


まりあさん

読んでくれてありがとうございます♪
キャラクターが魅力的って言って貰えるのはすっごい嬉しい☆

なんかいっぱい褒めて貰っちゃって照れます……////

次はもうちょっとちゃんとしたの書こうと思います!
これはちょっと、行き当たりばったり過ぎた…… ><

こんばんは! 

 とても面白かったです。どうなるの?と思いながら一気に読めてしまいます。
 窃盗団ですか。ちょっとクラシックな響きで、どこかで聞いたような設定ですが、気に入りました。
「魔王の棲む森」ですっかりやられてしまった山西の心はこの軽快なタッチに癒されます。
 このトリオの組み合わせもちょっと変わっていて、アジト?の設定も気が利いています。今回窃盗団ミッションの比率が少ないのはシリーズ化を見込んでいるのかな、と余計なお節介で勘ぐってしまいます。
 相田の登場で物語はあらぬ方向に向かっていきますが、恵理奈の小学生時代は恐いですね。不気味な感じ、得体の知れないこの相田という男の使われ方が上手いです。
でも後半3人に、特に恵理奈に完膚無きまでに叩きのめされるのは小気味好いのを通り越してもうかわいそうなぐらいです。思いっきり上から目線ですね。
 軽快でそれでいて3人それぞれのまったく異なった個性が繊細にそして絶妙に絡み合い(友情か愛情か微妙なところもありますが、まぁまだ表面上はドライな関係なんでしょう。本当の争奪戦はこれからだったりして……。そういうふうには動かないのかな?)色々と妄想も湧き上がってきてすごく楽しかったです。
 ありがとうございました。

ありがとうございます! 

山西さん

軽いのを書こう、と思って書いたので、一気に読めたと言って貰えて嬉しいです☆

魔王の棲む森、やっぱり怖かったですか?(汗
あれでも大分抑えたつもりではあったのですが……w

確かに窃盗団と言いながらミッションの場面が少なかったですよね ><

実は私もこれはシリーズ化したいなと思うくらいではあるんですけど、如何せん忙しいこともあって、次回は少しゆっくりペースになるかと思います。。。

出来れば3人の出会いなんかも描きたいですしね。

今のところは、この3人の中にラブ要素を入れようとは考えてないんですw
なんだか一気に話が崩れてしまいそうで……

楽しんで頂けたならすごく嬉しいです!

こちらこそ、読んでくれてありがとうございました♪


私もシスカを読みに行こうと思いながらうずうずしてます☆
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